双六工場日誌

平凡な日常を淡々と綴ります。

【注意喚起】これからは日本でマイニングに参入してもほとんどの人は損をする

現在のGPUマイニングは、収益的には非常に厳しい状況

これまでブログでは、直接的な表現をしてきませんでしたが、ある意味正直なこんな記事が出ていたので、それに載っかってはっきりと注意喚起を。主に、6月に書いた記事に検索でたどり着く人向けです。

akiba-pc.watch.impress.co.jp

このマイナー太郎さんのマイニングリグの記事は、非常によく書かれていて、マイニングリグを組もうとする人には非常に重要な情報源だと思います。しかし、同時にマイニングの現実もさらっと正直に書かれており、マイニングに必要な電力とある程度のチューニングを行った場合の収益が以下と述べられています。

  • ピーク消費電力は850W程度
  • 報酬レートは1.70mBTC/Day

これを元にざっくり利益率を見積もった結果が以下です。

  • 電気料金を1kWhあたり25円とすると、1日の電気料金は510円
  • BTCのレートを高く見積もって50万円/BTCとしても、一日の収入は850円
  • その差額の340円が一日の収益

一方、このマイニングリグを作るのにかかったお金は記事上の見積もりを合算すると263900円。BTCを高く見積もり、かつ、収益が低下しないとしても、コストの回収に2年以上(776日)かかる計算になります。

当然のことながら、マイニングの収入はこの数ヶ月で急速に減少したように、今後も日に日に低下していくことになります。そのため、2年経っても当初投入した資金は回収できないというのが、つまり現在のマイニングリグの見通しだと思います。この数値は私のGPUマイニングの結果とも合致しています。*1

マイニングブームの時には、何もしないでお金が儲かるというあおり記事が多かったように思いますが、やはりそうならなかったというのが厳然たる事実でしょう。

現実には、マイニングブームが起こったあとに二匹目のドジョウを追った人は安く電気が使える人だけが初期投資が回収できるかどうかというラインで、多くはこのように投資を回収できない状態になっていると思われます。

マイニングブーム以前に、このような動きを見通してマイニングを初めていた人や、すでに別の用途で使うためにGPUを持っていて、利益率が高かった時だけそれをマイニングに振り向けることができた人が一番得したはずです。

国内でのGPUマイニング事業は現状では絶望的

そもそも日本は電気代が国際的な平均値程度のため、日本国内でマイニングをしても、電気代が安い国にはかないません。電気代が安くなる特区でもできてくれればと思ったりしますが、今の政治状況でそういう判断は望めないでしょう。

そのため、国内でのGPUでのマイニングは事業としてやることはもはや絶望的だと思います。なので、すでに設備投資をしていて、この程度の収入でも問題ないと判断できる人以外はマイニングへの参入はおすすめできません。

6月時点では、こんな記事を書きましたが、それが維持されたのはせいぜい7月ぐらいまででした。

sechiro.hatenablog.com

私としては、直近の数ヶ月は、ASICであればマイニングで現実的な収益を上げることはできそうですが、その先はまた考えているところです。また、GPUでのマイニングもそもそもこれだけでお金を儲けることを狙っていなかったので、趣味の延長&冬場の暖房代わりとして細々とは継続しています。

この記事は注意喚起とタイトルに入れましたが、多くの人が電力程度のコストで仮想通貨のインフラを支えるというのは、本来あるべきマイニングの姿でもあると思うので、余剰な設備で余力の範囲でマイニングに参加するのはいいことだと思います。ただ、身を削ってまでやるものではないので、変な期待を持って参加する人が増えるのは止めたいというのがこの記事の趣旨です。

sechiro.hatenablog.com

暗号通貨の世界に「二匹目のドジョウ」はいない

とすると、この状況で勝つ方法が気になるところだと思いますが、正直それを記事にするのは難しいと思います。というのも、この動きの早い暗号通貨の世界で、誰かが解説記事を書いた時点で旬は過ぎていて、私が何かを見つけたとしても、それを記事した時点では情報が古く、すでに「二匹目のドジョウ」になっている可能性が大だからです。

ただ、だからこそ、自分で情報収集して、誰にも頼らずに判断できれば、まだまだいろいろとチャンスはあると思っています。個人的にはこのような混沌とした状況は楽しいので、非常に歓迎です。

ちょっと冷や水を浴びせるような記事になってすみませんが、最近加熱しすぎなところもあるので、たまにはこんな記事もよいかなと思い、つらつら書いてみました。

*1:マイナー太郎さんも、このように数値を書いてくれたのは、それを読む人が判断できるようにするためではないかと勘ぐってしまいます。